サイの角

サイの角のように、ただひとりで進め
この言葉は、まわりに流されず、自分の道をしっかり歩く生き方をあらわしています。
ここでたとえられているのは、
誰かに頼ったり、教えてもらったりせずに、自分で大切なことに気づいた人の姿です。
人に何かを教えたり、仲間をつくったりせず、
静かに、ひとりで生きていく道を選んだ人です。
まわりに誰もいなくても、ただ1本でまっすぐに伸びるサイの角のように、
ひとりで歩く姿に、その生き方が重ねられています。
あるとき、その人が旅立とうとすると、そばにいた人たちがたずねました。
「これからどこに行くんですか?」
そして、こうも言いました。
「私たちのことを置いていってしまうんですか? もう必要ないんですか?」
その人は、こう答えました。
「私はもう、子どもすら欲しいとは思いません。
それなら友だちを求める理由なんて、なおさらありません。」
ひとりで生きることの静けさや自由を、心から実感して、
その人はうれしそうに、こう言いました。
「ひとりで生きよ。サイの角のように。」