徐行思考

のんびり原付乗りはっぴー
困った問題が起きて気持ちが混乱しているときは、すぐに答えを出そうとせずに、ゆっくり考えるようにしてみましょう。ただし、「深く掘り下げて考える」のではなく、「浅くてもいいから、いろんな方向に広げてみる」ことが大切です。
たとえば、頭の中に浮かんだ思いつきを1枚1枚のカードだと想像して、それをゆっくり映像のように見ていきます。そうすることで、思考のスピードが自然にゆるやかになり、落ち着いて考えられるようになります。
誰でも、特につらい状況にいるときは、「早く答えを出したい」と焦ってしまいます。
でも、あまり急ぎすぎると、何を考えているのかがはっきりしなくなって、いろんなことをいっぺんに考えてしまい、頭の中がごちゃごちゃになります。
それはまるで、大雨のあとの洪水のように、思考があふれ出して止まらなくなるような状態です。
だから「減速思考法」では、「これでうまくいってるかな?」なんて気にせずに、とにかくシンプルに「ゆっくり、少なく考える」ことが大事です。
「うまくいくかどうか」と評価してしまうと、考えの内容にばかり気を取られてしまいます。
でも今は、そうやって中身をジャッジするのではなく、「ただ考える」という作業そのものに集中することが大切なのです。
「ゆっくり考える」といっても、それは「結論を後回しにする」という意味ではありません。
そうではなくて、「考えるスピードそのものを落とす」という意味です。この2つはまったく別のことです。
できるだけ、ほとんど考えが止まっているくらいのゆっくりしたペースが理想です。
ここで言う「ゆっくり」は、ただ時間が長くかかるという意味ではなくて、心の深いところまで静かに降りていくような感じです。
このようにすると、まだ問題が解決したわけではないのに、不思議と気持ちが落ち着いてきて、苦しさが少し軽くなっていくのを感じられるはずです。
考えるスピードをゆるめて、意識の流れがゆっくりになると、今まで気づかなかった細かい部分がよく見えてきます。
その結果、現実の世界に対する理解も自然と深まっていくのです。
たとえば、車を走らせているときは近くの風景がよく見えません。でも車を止めてゆっくり眺めると、草や木、小さな建物など、景色を形づくっている細かなものがはっきり見えてきます。
同じように、思考のスピードを落とすことで、目の前の現実の奥行きや細かさをじっくり味わえるようになるのです。
え